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クリエイティブディレクター佐藤 可士和氏講演会レポート。時代を捉えたブランディングの手法とは?【バンタンデザイン研究所】

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2020.09.11東京

授業/特別講師/講演会

日本を代表するクリエイティブディレクター佐藤 可士和氏をお招きして、オンライン特別講演会を開催しました。

「オンラインでの講演会は初めてです。今日はよろしくお願いします。

多摩美術大学を卒業して、グラフィックデザイナーとして広告代理店に入りました。

2000年には、『SAMURAI』を設立して現在は主に企業のブランディングプロジェクトのディレクションをしています。

もともとはグラフィックデザインからスタートしましたが、数年前に建築スタッフも入り、スペースブランディングも手掛けるようになりました。

デザインを総合的なものだと捉えていて、グラフィックデザイン、映像、空間、ファッションなど、

あらゆるメディアをブランディングの対象という視点で取り組んでいます。」

 

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<これまでのお仕事>

「ユニクロは、2006年のUNIQRO SOHO NY店のオープンから携わっています。

本格的に世界に進出していくというタイミングでグローバルブランド戦略のクリエイティブディレクションを担いました。

ユニクロフォントを作ったり、ロゴデザインや旗艦店のプロデュースを行いました。」

 

<グローバル旗艦店からユニクロを考える>

「こちらは、N.Y SOHOのお店。

かつては倉庫街でしたが、アーティストたちが作品展示の場所として注目するようになり、今ではエッジィな場所として進化しています。」

 

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「1,000坪くらいのお店で、ここに出店することが世界への足掛かりとなりました。

『美意識ある超合理性』というコンセプトを構築し、

このコンセプトをオープンのキャンペーン広告やPR、店舗の空間デザインなどあらゆるコミュニケーションの指標にしています。

例えば、レジカウンターのバックには、倉庫街だった時の名残を感じさせるレンガを残し、借景しています。

日本の企業がアメリカに進出しても、その土地の歴史をリスペクトしているというストーリーを感じさせる空間にしました。」

 

他にも、ロンドン、パリ、上海店を紹介。

 

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「大阪心斎橋のお店は、建築家の藤本壮介さんとのコラボレーションです。

左は、空気で膨らんでいるんですよ。『ユニクロの商品である、ウルトラ ライトダウンみたいな外壁を作ろう』というコンセプトです。」

 

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「原宿にオープンしたUTストアでは、Tシャツの新しい売り方を考えました。

この店舗は今はもうないのですが、当時は『未来のTシャツを販売するコンビニエンスストア』というコンセプトでデザインしました。」

 

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「こちらは、パリ・マレ地区のショップです。かつて、鋳物の工場があった場所なので、真ん中には煙突を残しています。」

 

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3年前から準備してきたのがUNIQLO PARK 横浜ベイサイド店、ユニクロ原宿店、そしてマロニエゲート銀座に入った『ユニクロ トーキョー』。

「3店舗全体のディレクションを行ってきました。

UNIQLO PARKは、ユニクロがパブリックに開かれた店です。店自体が公園になっていて、家族で楽しめるデスティネーションストアです。

ユニクロ初となるフラワー販売コーナーもあります。」

 

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「ユニクロ原宿店は、オープンからエントランスを彩ってきた現代美術アーティスト・村上隆さんによる巨大なビリー・アイリッシュ像も話題になりましたが、

地下ではタブレットによる着こなし提案を行ったりしていて、原宿らしいカルチャーを感じさせる場所です。

ユニクロ トーキョーは、有名な建築家・ヘルツォーク&ド・ムーロンが、外装と内装の一部を手掛けています。

建物の綺麗な構造を活かしたダイナミックでシンプルなデザインで、広い空間を使ったプレゼンテーションが特徴です。」

 

どの店舗も、販売しているアイテムは基本的に一緒です。それぞれの店舗にコンセプトがなければ、ウェブで買うのと同じになってしまう。

コロナ禍でもリアルがなくなるわけではありません。店が何を表現するのか?

強いコンセプトと、それを表現として定着させるためのクリエイティブディレクションは非常に重要です。

 

<日清食品、関西工場のディレクション>

 

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「これ、何に見えますか?実は、日清食品の関西工場の入口なんです。でも、見学者は蓋になっているとは気づきません。

見学の過程で、上階から入り口をのぞき込める窓を作り、そこで初めてこのユニークな仕掛けが分かるようにデザインしました。

カップヌードルの魅力が、アイコニックに伝わるように設計し、グーグルマップもメディアにしようと考えました。

グラフィックデザインと建築を融合させた例ですね。」

 

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工場の進路には、麺を揚げる音、切る音などをミックスしたエレクトロミュージックが爆音で流れる仕掛け。

 

プロジェクトには、バンタンデザイン研究所のOBである、アートディレクター奥瀬義樹さんも携わっています。

SAMURAI奥瀬氏「200mもある長い通路です。この壁面もグラフィックとして捉えました。

デザインを原寸で出力して、白のバランスを見て飽きさせないように作りました。」

 

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佐藤氏「ドットとか線の細さが適正なのかは、原寸でないと分からないので、地道に、丁寧に検証していきます。

工場は、シルバー、白、赤の印象になるよう、全体の雰囲気をディレクションしています。カラーリングをコントロールすることで未来的になります。」

 

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<くら寿司 浅草ROX店>

佐藤氏「くら寿司は、アメリカ、中国、台湾にも展開しているグローバルな企業です。

この仕事を始めるにあたって、そもそも、『寿司ってなんだろう?』というところから考えました。

ある時、歌川広重が東京名所を描いている浮世絵を見つけたんです。

寿司屋の屋台が描かれていて、みんながファーストフードのように楽しんでいて。その様子はまるでお祭りのようでした。

くら寿司も、早くからサイドメニューを取り入れたり、『ビッくらポン!』という、食べたお皿の数によって回すことができるガチャガチャを入れたり、

企業として『楽しく食べる』ことをとても大切にしています。

くら寿司が目指している食のあり方は、江戸時代に庶民が寿司を楽しんでいた風景と通じると感じ、これが『寿司の本質』だと思ったのです。」

 

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浅草ROX店は、歌川広重の浮世絵を彷彿とさせる大屋根を作り、江戸の風情を再現。

提灯、壁一面に飾られたお面、射的や輪投げが楽しめる「縁日スペース」を併設したそう。

 

「グローバル企業として今後さらに力強く進んでいけるようにブランドを構築しています。ロゴは江戸文字をモチーフにしました。

このように、いきなりロゴを作るわけではないく、プロセスとして、まずコンセプトを設定することがすごく大事。

ユニクロなら「LifeWear」ですし、くら寿司なら、「食×エンタテインメント」。的確なコンセプトができて初めて、ロゴや空間に展開していけるのです。

 

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<学生へポートフォリオのフィードバック>

講演終了後は、学生ふたりのポートフォリオ(作品集)チェックを行いました。

WSグラフィックデザイン本科(2年生) 杉園さんの力作は、靴下専門店の「ショップブランディング」課題。

ロゴデザインや販促物のデザインを手がけました。他にもブックデザイン、自分広告、Tシャツデザインなど作品も多岐にわたります。

 

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佐藤氏「自分のトーンがハッキリしていていいですね。あとは見せ方だね。最後のCDデザインは淡々として見えます。

画面にイラストだけがあるページを入れるとか、メリハリをつけて見せるといいです。

丁寧な仕事をしているので、それだけにどれを見ても一緒だなと思われてしまっては勿体ないです。」とアドバイス。

 

続いては、デザイン本科(2年生) 鈴木さん。

「製本することを前提にデータを作りました。得意なイラストレーションを全面に押し出したいです!」と意気込みます。

食パンの専門店のショップブランディング、SPツール制作、カレンダーなどの作品をまとめました。

 

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佐藤氏「もっと色々できると思います。イラストの楽しい感じが引っ込んでしまっている。

表紙も『ポートフォリオ』ではなく『SUZUKI』の文字を強調したほうがいいんじゃないかな?

鈴木さんの世界観をどう表現するかの方が重要です!」と助言。

奥瀬氏も「特にフォーマットの指定がないなら、もっと自由に好きな世界観を表現していいと思います!」と率直にフィードバックしました。

 

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世界で活躍するトップクリエイティブディレクターの思考法やアプローチを存分に伺うことができました。

佐藤氏の「プロセスとして、まずコンセプトを決めることがすごく大事」というメッセージは、とても示唆に富んでいます。

専攻を問わず、すべての学生へのヒントになりそうですね。

 

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