絵本作家に向いてる人の特徴とは?求められるスキルも解説
「絵本作家になりたいけれど、自分には特別な才能や絵の技術がないから向いていないのでは」と悩んでいませんか。しかしプロの現場を知ると、必ずしも圧倒的な画力を持つ天才だけが生き残る世界ではないことが分かります。
この記事では、絵本作家に向いてる人の特徴や求められるスキルを解説します。
絵本作家の役割
ここでは、絵本作家の役割について解説します。
子どもの感性と豊かな想像力を育む
最大の役割は、子どもたちの瑞々しい感性を刺激し、無限の想像力を育むことです。子どもにとって絵本は、人生で初めて触れるアートであり文学そのものです。まだ言葉を十分に知らない幼児であっても、ページに描かれた色や形、心地よい言葉のリズムを五感で受け止め、頭の中で自分だけの物語を膨らませていきます。
絵本作家は、子どもたちに未知の世界や新しい感情を伝える架け橋です。自分が生み出した1冊が、子どもの思いやりの心を育てたり、日常の何気ないものへの好奇心を呼び覚ましたりするきっかけになります。
大人の心にも深い気づきや癒やしを届ける
多くの大人が仕事や日々の生活に追われ、心のゆとりを失いそうになったとき、絵本のページをめくることで救われています。複雑でシビアな社会を生きる大人たちに向けて、シンプルだからこそ胸に突き刺さる深い気づきや、疲れた心を包み込むような癒やしを届けることも絵本作家の重要な役割です。
大人の読者は、短い文章と計算された絵の行間から、言葉以上のメッセージを読み取ります。時にそれは人生の本質を突く哲学となり、時に幼い頃の純粋な気持ちを思い出させるきっかけとなるでしょう。
文化や大切なメッセージを後世に語り継ぐ
絵本の大きな特徴のひとつに、消費されにくく時代を超えて生き続けるという点があります。流行のビジネス書や雑誌は数ヶ月で書店の棚から消えてしまうことが多い反面、優れた絵本は10年、30年、あるいは50年以上にわたって増刷され、読み継がれていくからです。
絵本作家は、人類の普遍的な価値観や大切なメッセージを後世に語り継ぐ「文化の守り手」といえます
絵本作家に向いてる人の特徴
ここでは、絵本作家に向いてる人の特徴を解説します。
想像力・創造力が豊かな人
日常の何気ない風景や感情から新しい物語の種を発見し、それを膨らませていく力が絵本作家には不可欠です。ここで言う想像力とは、単に頭の中で突飛なファンタジーを思い描くことだけではありません。
「もしも自分の部屋のぬいぐるみが、夜中にこっそりおしゃべりをしていたら」「もしも雨の粒がすべてカラフルなドロップだったら」といった、素朴な疑問や仮説を形にする能力を指します。
頭の中にある目に見えないイメージを、絵と言葉という形ある作品に落とし込む作業を心から楽しめる人は、絵本作家としての適性があるといえます。
好奇心旺盛な人
常に新しい知識や未知の体験、他者の関心事にアンテナを張っている人は、絵本作家に非常に向いています。絵本のネタは、自分の過去の経験だけで賄おうとするとマンネリ化し、引き出しが底を突いてしまうからです。
日常生活の中で常に「なぜ?」「どうして?」と疑問を持ち、面白そうな場所へ足を運んだり、新しい分野のインプットを求めたりする姿勢が欠かせません。
常にみずみずしい感性を保ち、周囲のあらゆる事象からインスピレーションを受けようとする貪欲さがある人は、読者を飽きさせない作品を生み出すことができるでしょう。
他人の気持ちに共感できる人
子どもの目線に立って深く共感できる能力は、絵本作家にとって大切です。初心者が陥りがちな失敗として、自分の伝えたいメッセージを詰め込みすぎるあまり、作品全体が説教くさくなってしまうケースが挙げられます。絵本は教科書ではないため、大人の理屈を押し付けても読者の心には響きません。
向いている人は「どんな言葉にワクワクするだろう」「どんな絵の仕掛けがあれば大笑いしてくれるだろう」と、読者の心理を客観的に想像できます。
地道な作業を黙々とこなせる人
華やかに見える絵本作家の世界ですが、その制作の舞台裏は地道な作業の連続です。1冊の絵本を完成させるためには、時には1年以上の歳月をつぎ込みます。
アイデアを出してストーリーのプロットを練り、鉛筆で何度もラフを描き直しては構成を修正し、ようやくOKが出た後に1枚ずつ丁寧に色を塗って清書していくというプロセスが必要です。
こうした膨大な時間と労力がかかるステップを、途中で投げ出さずに黙々と積み重ねられる粘り強さが求められます。修正作業すらも楽しんでやり遂げられる人は、プロとして生き残るための適性を備えています。
コミュニケーション能力が高い人
現代のプロ現場において、高いコミュニケーション能力は必須の適性です。作家は一人で部屋にこもって仕事をするものというイメージは半分誤りです。
なぜなら、絵本は作家一人だけで世に出せるわけではなく、出版社の編集者、デザイナー、印刷所のスタッフなど、多くのプロフェッショナルとの共同作業によって作られる商品だからです。
特に編集者とのやり取りでは、自分のこだわりを主張するだけでなく、相手からの客観的なアドバイスや修正指示を柔軟に受け入れる協調性が大切になります。
絵本作家に求められるスキル
ここでは、絵本作家に求められるスキルをご紹介します。
読者の心を動かす“ストーリー企画・文章スキル”
絵本において、物語の根幹となるシナリオや言葉選びは、作品の良し悪しを分ける重要な要素です。短い幼児向けの絵本であっても、そこには計算された起承転結や、読者を惹きつけるテーマ設定が隠されています。
また、声に出して読み上げられたときのテンポ感や、言葉特有のリズム、心地よいフレーズの繰り返しなどを意識して執筆する技術も欠かせません。
世界観を視覚的に表現する“作画・グラフィックスキル”
求められるのは美術解剖学に基づいたデッサン力や、実物そっくりに描く写実的な技術だけではありません。読者が求めているのは、その作品にしか出せない独自の世界観や、キャラクターの愛らしさ、感情が伝わる色使いです。
実際に、世の中でベストセラーとなっている絵本の中には、ちぎり絵やコラージュ、独特の画材の質感を活かしたグラフィック表現で大ヒットした作品が数多く存在します。絵が描けないと悩む人であっても、自分だけの味や表現手法を見つけられれば、十分にプロとして戦うことができます。
物語を演出する“ページ構成スキル”
絵本の多くは、見返しなどを除くと基本的に「32ページ」という規格に沿って作られています。この限られたページ数のなかで物語をどのように割り振り、山場をどこに持ってくるかを計算するページ構成スキルは、絵本作家にとって欠かせないスキルです。
プロの現場では、本番の作画に入る前にダミー本と呼ばれる簡易的なラフを作成し、ページをめくったときの驚きやテンポ感を検証します。
前のページで伏線を張り、ページをめくった瞬間に目の前がパッと開くようなサプライズを演出するスキルは、絵本作家ならではのプロフェッショナルな技術です。
制作の効率と幅を広げる“デジタルツール活用スキル”
出版業界全体でデジタル化が進むなか、現代の絵本作家にとってデジタルツールの活用スキルは無視できないものとなっています。現在は多くの作家がパソコンやタブレット、イラスト制作ソフトを活用して作品を仕上げています。
デジタル作画スキルを身につけると、色の変更や構図の修正が簡単になり、編集者からの要望にも迅速に対応できるようになるため、制作の効率が飛躍的に向上します。
また、アナログの画材で描いた原画を取り込んでデジタルで微調整し、印刷に適したデータ形式で入稿するといったIT知識も、現代のクリエイターとして実務をこなすためには必須のスキルです。
作品を広めファンを増やす“自己プロモーション・ビジネススキル”
絵本を出版して印税をもらうという従来のビジネスモデルだけに頼っていては、新人作家が生活を成り立たせることは大変なのが現実です。
だからこそ、今の時代を生き抜く絵本作家には、自らの作品を広く世に知らしめ、自立して活動していくためのビジネススキルが強く求められます。具体的には、SNSを活用して制作過程を発信し、出版前からコアなファンを獲得するセルフプロモーション能力です。
さらに、絵本発のキャラクターを活かしてグッズを企画・展開したり、電子書籍や自主出版といった多様なプラットフォームを活用したりするスキルも重宝されるでしょう。
バンタンデザイン研究所 デザイン・映像カレッジで学ぶメリット
ここでは、バンタンデザイン研究所 デザイン・映像カレッジで学ぶメリットをご紹介します。
現役プロ講師から直接指導を受けられる
バンタンデザイン研究所 デザイン・映像カレッジの指導にあたる講師陣は、全員が現役のプロフェッショナルです。一般的な教科書通りの講義を行う学校とは異なり、現在も業界の第一線で活躍し、出版社の編集者とシビアな仕事をこなしている現役プロ講師から、直接指導を受けることができます。
現役のプロだからこそ、コンクールや出版社への持ち込みにおいて「今、編集者がどこを見て採用・ボツを判断しているのか」という評価基準を熟知しています。自分の作品に対して、プロの目線からタイムリーで実践的なフィードバックを受けることで、独学では気づけない癖を改善していくことが可能です。
個性を伸ばすカリキュラムが充実している
絵本の世界において、万人受けする画一的な技術を身に付けるだけでは、その他大勢の作品の中に埋もれてしまいます。バンタンでは、一人ひとりが持つ独自の味や感性を見出し、それを強みへと育てる個性を伸ばすカリキュラムが徹底されています。
デッサン力にコンプレックスがあり、絵が描けないと悩む人であっても、コラージュやデジタルグラフィック、画材の工夫によって、自分だけの唯一無二の世界観を構築するアプローチを学ぶことができます。
絵本作家の適性とスキルに関するよくある質問
最後に、よくある質問にお答えします。
イラストが上手い人と、絵本が作れる人の決定的な違いは何ですか?
「1枚の空間を美しく切り取るスキル」と「32ページをページ構成するスキル」のどちらに特化しているかという点にあります。イラストレーターは、1枚の絵の中に世界観を凝縮させて完成させるプロフェッショナルです。一方で絵本作家は、ページをめくるという行為を通じて、読者の頭の中に物語の時間を流すプロフェッショナルです。
出版社に持ち込みをする際、絵はどのレベルまで完成させるべきですか?
最初からすべてのページを画材やデジタルで清書しておく必要はありません。プロの現場であっても、まずは鉛筆書きや簡易的な色付けにとどめたダミー本と呼ばれるものを作成し、それを編集者に見せるのが一般的な実務の流れです。
ストーリー(原作)だけに特化してデビューする場合、作画担当はどうやって決まりますか?
作画を担当してくれるパートナーは、基本的には企画が通過した後に出版社(担当編集者)からの提案やマッチングによって決定されるケースが主流です。作家が自分で必死になって絵描きを探し、頭を下げて依頼する必要はありません。