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2017.06.13東京
授業/特別講師/講演会
日本を代表するクリエイティブ・ディレクター 佐藤可士和さんに
自分の制作したポートフォリオを講評して頂くという貴重な機会を得た
デザイン科の生徒達。
ポートフォリオを持ち
緊張の面持ちで佐藤さんの講評を待ちます。
まずは畠中君のポートフォリオから。
ブランドロゴや名刺など、これまで自分が制作してきた作品について
ひとつひとつ佐藤さんに説明します。
佐藤さんも手に取ってじっくりとチェック。
「もう少し展開が見たい。写真の選び方を考えたり、見せ方をもっと工夫したりすることが大事。中身だけでなくポートフォリオの紙質や留め方にも気を付けて」
全体の装丁を含めて「ポートフォリオ」であることを教えて下さいました。
続いて熊澤さん。厚めのポートフォリオにはこれまで制作した作品がぎっしり!
「たくさんありすぎるから、もっとまとめたほうがいい。
ポートフォリオは“自分の世界観”を伝えるもの。
数が多ければいいわけではない。
見せたいものを大きくしたりしてメリハリを」
とアドバイスをいただきます。
最後は荒巻さん。“旅が好き”という気持ちをポートフォリオに詰め、
装丁もしっかりしていてまるで本のよう!
「すごくいいと思う。これまでバンタンで見たポートフォリオの中で一番いい」と大絶賛!
「考え方や見せ方の方向性はすごくいいから、
もっとブラッシュアップできればいいですね」と
具体的な方法を教えてくれました。
講評後、「びっくりするほど丁寧に見ていただいて、
自分が思いもしなかったアドバイスは目からウロコでした。
今後、進んでいく道が見えてきました!」と荒巻さん。
その後、講演会がスタート。
佐藤さんは博報堂を経て、
16年前に独立し現在のオフィス「SAMURAI」を立ち上げました。
そのときバンタンの卒業生を採用したことをきっかけに
毎年講演会を行っていただいています。
「今までにバンタンから4人採用しました。SAMURAIの採用はバンタンが一番多いです」と嬉しいお言葉。
そして、これまで佐藤さんが手掛けたお仕事を紹介。
誰もがどれも、一度は目にしたことがあるものばかり!
最近では『団地の未来プロジェクト』という団地の再生を
建築家の隈研吾さんとともにオープンイノベーション的な方法で行ったり、
東京・立川市にある『ふじようちえん』の園舎を手掛け
少子化の中でも選ばれる幼稚園づくりを実現するなど、
新たなプロジェクトを手がけています。
「団地や少子化など縮小傾向にある課題に対して、
デザインの力でいかに貢献してよりよいものを提示できるかを考えています」
そして、今年はクリエイティブ・ディレクターとして初めて文化交流使に選ばれ、
日本の文化を海外に広める活動も経験したそう。
「日本にもともとあったいいものにデザインという
付加価値をつけて海外に発信しています」。
一例をあげると400年の歴史を持つ有田焼を広く海外に紹介する
「ARITA 400 project」というプロジェクトのため、
佐藤さん自らが絵付けを行ったそう!
「何度も様々な技法で絵付けを行い試行錯誤を重ね、
納得のいく1枚が仕上がるまで1年かかりました」。
伝統と革新、永遠とつかの間、静と動など相反するコンセプトを表現した
佐藤さんの作品は世界中の人に興味をもってもらったといいます。
「デザインとは問題を解決する仕事。
だからこそ、日本だけでなく海外からも期待される仕事です。
みなさんもこの業界でぜひ活躍してほしい」と佐藤さん。
斬新なデザインや驚くようなアイデアに注目しがちですが、
佐藤さんの根底には「デザインの力で日本を、そして世界をよくしていきたい」
という気持ちが伝わってきました。
質疑応答ではたくさんの質問が学生からあがります。
デザインのことからズバリ直球な質問まで!
「SAMURAIに欲しいと思う人材は?」という
グラフィックコースの川口くんからの質問には
「若手ならば先入観なく、ニュートラルにものを見られる人ですね」と回答。
大谷さんからは「学生時代にやっておくべきことは?」という質問が。
「学生時代はとても大事な時期。音楽でもスポーツでもアルバイトでも
何かひとつ“やりきった”と言えるものがあるといいですね」
佐藤さんも大学時代はバンドに夢中になり、
その経験が今のモノづくりの発想につながることもあるのだとか。
講演会後、学生に感想を聞いてみると…。
「デザインはコミュニケーションなんだと改めて知りました」
「佐藤さんの大切にしている、どこまでデザインをそぎ落として、
シンプルに伝えるかという考え方を知り勉強になりました」
佐藤さんの話しから、学生それぞれが何か気づきを得て、
新しい行動にチャレンジする一歩になることを期待しています!
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