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- [全日制] ファッションデザイン基礎科 シーチングで ...
2013.07.02東京大阪
ファッション学部ファッションデザイン基礎科の教室に潜入★
黙々と作業に打ち込む学生たち。
彼らが取り組んでいるのは「新しいスカートの形」を提案するという課題。
第1ターム(入学後最初の3ヶ月)の作品では、ミシン、手縫い、グルーガン、ホチキスなど幅広い技法が許されていますが、使える素材は基本的にシーチングのみ。
シーチングで展開する「新しいスカートの形」を創り上げるまでに、細かな準備がありました。
学生たちの手元にあるのは「リサーチブック」。
生地に触れる前に、雑誌の切りぬきなどを集め、あらかじめイメージを固めるための資料本。
「リサーチブック」をベースに最終的なイメージを構築するいわば、作品の設計図でもあるんです!!
「新しいスカートの形」は最終的にリサーチブックの完成度、スカートの完成度、プレゼンテーションの完成度は、講師10名によって審査されます。
審査員の中には、あのMIKIO SAKABE(ミキオ サカベ)デザイナー坂部 三樹郎講師も参加されます!
ヤドカリの形が特徴的なスカートは、留学生の作品。
「池袋の繁華街をイメージしています。初めて見た日本人は、同じ空間を共有していても個人個人で生きてて、欲望に忠実で…。なんとなく、自分の殻にこもっているヤドカリみたいだなぁと思って。」
日本に来た時の衝撃が、インスピレーションの源なんだそう。
湘南在住の学生は「しゃこ貝」がテーマ。
針金を入れたフリルは、その日の気分に合わせて自由にスタイリングが可能な形状になっており、7段に重なったフリルは存在感があります。
コルセットに縫いつけて、いよいよ完成!
動物の手が貼りついたスカートは「柵の中から、外に出たいという手」をイメージ。
デザインした学生は「冬にリアルファーを着ている人を見て、悲しい気分になったんです。私は動物好きなので生地として動物を見ることができなくて…。絶対に買うな、とは言えないけれど、動物たちの声を表現できれば。」と強い想いを込めました。
人間の手でできたスカートもあり、2体を並べるととてもメッセージ性の強いものに。
「風と関わるスカート」は生地の厚みを変えて、動きを出しています。風に舞うスカートを、あえて「規則的な」ドレープで表現しました。
「恋ができない女の子」と題された作品は、全面にバラがあしらわれたキュートな1枚。
バラは、シーチングを丸めてボンドで丁寧に形づくられました。
ある男子学生からは「立体裁断の授業を早く受けたいです。生地を着る時、大変でした。トルソーのカーブに生地を貼り合わせて、ピン打ちして、カットして… 見よう見まねなので、必要性が身にしみます。」なんて声も。
「不完全」と題されたスカートは、無数のカッティングが美しいデザイン。
内側から光を当てると、まるでプラネタリウムのように。細かな細工に脱帽です!
「球状で、面がいくつもあります。可愛いデザインもあれば、ちょっとグロテスクな面もあり、自分の性格を表現しています。1つ1つ手で切っていったので、腱鞘炎になりました。」と、デザイナーは笑います。
今回の「新しいスカートの形」プロジェクトでは、審査員により上位20名が発表され、ベスト3位は全学科の前でプレゼンテーションするチャンスが得られます。
まるで、試験の順位発表のよう!
こうした発表の場を多く経験し、人から評価されていくことで自然と、クリエイションとプレゼンテーションのバランス感覚や競争心が養われていくんですね!
ファッションデザイン基礎科の、今後の作品からも目が離せません!!