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2012.11.12東京大阪
授業/特別講師/講演会
ラフォーレファッションウィーク、Zoff、ミュージカル「100万回生きたねこ」など
ドローイングを活かしたファッショングラフィックをはじめ、
存在感のあるアートディレクションで、広告、装丁、カタログ、
ファショングラフィック、キャンペーンの企画などで幅広く活躍中の
アートディレクター・千原徹也さんをお招きし、講演会が行われましたー
今回、参加したのはデザイン学部の基礎科の学生たちが中心です★
9月のタームプレゼンの審査員もしてくださった千原さん。
そのときのバンタン生の印象をお尋ねすると。。。
「みんなプレゼンもしっかりしているし、将来やりたいことも
しっかり考えていてびっくりした。ビジネスのことも考えながらプレゼンしてましたね。
ただ仕事の場に行けば、いやおうなくプレゼンの場はあるので、
時間のある学生のうちは、もっとしっちゃかめっちゃかに
今しかできないようなことをやったほうがいいのかなと思います。
僕は大学の4年間、美大ではないのですが、とにかくそのころは映画にハマって
1年間に300本は観ていたんです。映画の年間パス買って。
それが、今の仕事にすごく活きていると思います。
今、ファッション関連の仕事をやっていると、
どんなスタイルのファッションでも、世界のファッションを知らないと
仕事ができないというか。
自分の作品を見ていて、この映画をたくさん観る時間が無かったら
この仕事をやっていないかもしれないですね。」
続いてはアートディレクターになるまでのお話をうかがいました
「大学卒業後は関西にある電通系のプロダクションで、4年間、ひたすらマクドナルドの
クーポンだけを作っていました。
クーポンだけやっているといろんな気持ちになってくるんですよ。
クーポンばかりでいいのか、と焦ったり、
クーポンいっぱいもらえて食べにいけてうれしいなとか(笑)」
「でもクーポンをつくりながら、レイアウトというものを体で覚えていきました。
長体は何%までやったら、デザイン的に気持ち悪く感じるかとか
読みやすいためのアキはどのくらい必要か、とかね」
上京したのは8年前のこと
交友関係もとても広い千原さんですが、
東京に出てきてから一気に広がっていったのだとか。
その後、アートディレクターのアシスタントや
いくつかの会社を経て、2011年に独立をしたそうです
東京で最初に手がけたお仕事について伺ってみると
「独立する前に所属していた会社がファッショングラフィックを
中心にした会社だったんです。
でも、実ははじめのうちはファッションの広告は好きではなかったんです。
写真をバシッと撮って、そこにロゴだけ入れるというようなビジュアルで
デザインしてるっていえるのかな、と。
でも、だんだんやっていくうちに、ファッションのフォトディレクションが楽しい
ということに気づいたんですよね。
2年くらい経って、一つADで担当する?という話が来ました。
あるブランドの10周年のディレクションを1年間やったのですが
それが、一番はじめのアートディレクションですね。」
ここからは、ご本人の解説付きで
千原さんの手がけたお仕事について伺っていきます!
千原さんが代表を務めるれもんらいふのWEBサイトで
まず最初に目に入ったのはドラえもんのビジュアル
「これは、雑誌 Pen+の、ドラえもん生誕100年前を記念した
藤子不二雄特集号で制作したビジュアルです。
ドラえもん好きのクリエイターに作品を作ってもらおうというところから
お話しを頂きました。」
この時も人との繋がりから生まれたお仕事なのだそう。
「もともと雑誌フィガロの編集の方と知り合いだったのですが
その方が、Pen+の編集者に僕がドラえもん好きらしいよという話をしたのが
きっかけなんです。」
また、こちらの作品は、10/5に渋谷PARCOにオープンしたばかりの
ファッションブランド「my panda」
一つのブランドをブランディングから
初めてすべて行った思い入れのある仕事とのこと
「ロゴ、カタログ、ショップツール、WEBサイトなどすべてのデザインを手がけました。
my pandaというブランド名の通り、アイテムが全部2トーンカラーで作られているんですね。
それをグラフィックにも取り入れようと思いました。
バックの地平線と服の切り返し部分とを合わせたビジュアルにしたんです。
ブランドのコンセプトがわかりやすいと好評いただいたのが嬉しかったですね。
何年後かを見据えながら、一つ目のビジュアルを作っていけました。」
ほかにも冒頭でご紹介した、ラフォーレファッションウィーク▼
Zoff▼
100万回生きたねこ▼
などなど見たことのあるビジュアルをたくさんご紹介頂きましたよー♪
また、手書き風の作品が多く見られる千原さん。
この作風が増えていったのには、こんなきっかけが★
「去年、菊地凛子さんのホームページを制作しました。
そこで、凛子さんの写真と僕のイラストを組み合わせた
ビジュアルを提案したんです。
ここから、ドローイングを活かしたファッションフォトとの融合での
仕事が増えていきましたね。」
お仕事の紹介後は、学生からの数々の質問にお答えいただきました
特に印象的だった質問は、一番最初にお尋ねした
「10年前はどんなことを考え、どこで何をしていましたか?」というもの。
25歳の学生からの質問で、ちょうど10年前の千原さんに
今の自分の年齢が近いということが、質問の理由でした。
「僕はその頃、ちょうどマクドナルドの仕事をしてました。
普通なら30歳を基準に自分の将来設定を考えるものかもしれないですが、
僕は東京に出てきたのが28歳のときなので、
40歳までに自分の名前でアートディレクションができればいいと思っていました。」
「グラフィックデザインは絶対的に下積みが必要な仕事です。
最低でも2~3年の下積みが必要で、
それに耐えられるかどうかが大事だと思います。
焦って独立したとしても、フリーターみたいなフリーにしかなれない」
続いては、インターンとして千原さんの会社で働いている
バンタンの本科生、長谷川くんのポートフォリオをみながら
採用の決め手をうかがうことに。
「たくさんのポートフォリオを拝見するのですが、
新卒や学生に求めるのは個性。
それこそ驚きであったり、『かわいい』とか『よくがんばったね』と
思えるものが大事。
長谷川君の作品はその細やかで時間のかかる作業ぶりが目をひきました。
この子に技術を勉強させたら、面白いことができるのではと思いました」
と千原さん
そして最後には学生たちへのメッセージをお願いすると。。。。
「よく『どこの美大?』ときかれるんですが、僕もアシスタント時代には
そういう経歴でなければこの業界でやっていけないのかな、と思ったことも。
でも独立して1年、うまくお仕事をいただいてやれているわけですから
『自分は間違ってなかったんだ』
『ADをやりたいという想いがあれば、必ず叶うんだ』と。
どういう経歴かではなく、どれだけ人にやさしくできるか、
コミュニケーションができるかということだと思っています」
と、アツく心強い言葉を頂戴しました
盛りだくさんの内容でありながら、あっと言う間の1時間半でした。
お忙しい中、ためになるお話をたくさんいただき、ありがとうございました
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